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【漫画で解説】避妊インプラントとは?

新宿駅前婦人科クリニックの避妊インプラントとは?漫画で解説

国内で知られている主な避妊法には、コンドーム、低用量ピル、ミレーナ(IUS)などがありますが、海外に目を向けると「避妊インプラント(皮下インプラント)」の注目度が年々高まっています。女性の皮下に小さな棒状のインプラントを埋め込む避妊法で、日本では未承認の薬剤ですが、欧米など100カ国以上で使用されています。この記事では、避妊と月経トラブルの改善に効果のある避妊インプラントについて、くわしく説明します。

新宿駅前婦人科クリニックでは、18~40歳の方を対象に避妊インプラントの挿入を実施しています。ご検討中の方は予約フォームからお問合せください。

この記事の監修医師

新宿駅前婦人科クリニック院長 平川 絵莉子 医師

新宿駅前婦人科クリニック 平川 絵莉子 院長

産婦人科専門医|母体保護法指定医

鳥取大学医学部卒業後、産婦人科医として経験を重ね、2024年8月新宿駅前婦人科クリニック院長に就任。

この記事の監修医師

新宿駅前婦人科クリニック院長 平川 絵莉子 医師

新宿駅前婦人科クリニック
平川 絵莉子 院長
産婦人科専門医|母体保護法指定医

鳥取大学医学部を卒業後、産婦人科医として経験を重ね、2024年8月新宿駅前婦人科クリニック院長に就任。

避妊インプラントって何?
インプラノンとはどう違うの?

避妊インプラントの効果

皮下インプラントとも呼ばれる避妊インプラントは、柔らかく小さな棒状のロッドを、二の腕の皮下に埋め込む避妊具です。一度挿入すると、3年の間99%の高い避妊効果を発揮し、月経痛や過多月経などの改善も期待できます。その効果の長さから、長期作用型可逆的避妊法(LARC)に分類されます。

インプラントには、エトノゲストレル(人工的に合成されたプロゲスチン=黄体ホルモン)が配合されており、3年かけて体内にホルモンを放出します。エストロゲン(卵胞ホルモン)が含まれていないため、体質や生活習慣を理由にピルが服用できなかった方も使用が可能です。

※1.肥満の傾向が強い方(BMI≧25)は、避妊インプラントによる効果期間が3年よりも短くなる場合があります。

インプラノンは過去に発売された避妊インプラントの製品名

インプラノンは、すでに製造が中止されている避妊インプラント製品の内の1つです。避妊インプラントには複数種類の製品がありますが、インプラノンは安定して正しい位置へ挿入することが難しく、2011年には挿入していた女性の数%が妊娠したり、インプラノンが原因で負傷したりする事故がありました。

この報告を受けて、製造元である製薬会社のMSDはインプラノンを改良した「ネクスプラノン(NEXPLANON)」を発表しました。従来のものと比較して、挿入のための器具の性能が向上しているだけでなく、レントゲンやCTスキャンでも挿入位置がはっきりと分かるようになっています。

新宿駅前婦人科クリニックは
ネクスプラノン(NEXPLANON)を採用

安全性の高いネクスプラノン(NEXPLANON)

避妊インプラントは複数種類の製品が存在し、挿入するロッド(細い棒状の器具)の本数や効果が持続する年数は製品によって異なります。新宿駅前婦人科クリニックでは、安全性と高い避妊効果が認められているネクスプラノン(NEXPLANON)を採用しています。

ネクスプラノンは、腕に入れるロッドの本数が1本のみで、最長3年間ホルモンを放出して体内のホルモンバランスをコントロールします。日本の厚生労働省にあたるアメリカの行政機関「FDA」でも、その避妊効果が認められている薬剤です。

なぜ避妊インプラントで避妊ができるの?

避妊インプラントを挿入すると、主成分であるプロゲスチン(プロゲステロン)が作用し、妊娠を促す黄体形成ホルモン(LH)の分泌が抑制されます。この働きにより、体内が妊娠しにくい状態に保たれます。

さらにくわしく説明すると、女性ホルモンの分泌がコントロールされることで、排卵が抑制されるだけでなく、子宮頸部の粘膜の粘度が薄くなって精子の侵入が防がれ、子宮内膜が薄くなることで着床しにくい身体が作られます。避妊インプラントを除去すると、身体は徐々に元のホルモンバランスの分泌サイクルに戻り、妊娠可能な身体になります。

ミレーナと避妊インプラントの違い

ピル以外の避妊方法として、避妊インプラントの比べられるのは、子宮内に装着する「ミレーナ(避妊リング)」ではないでしょうか?

以下では、ミレーナと避妊インプラントとの違いを表にして比較しています。(ミレーナについての詳細はミレーナのページをご参照ください。)

ミレーナ 避妊インプラント
挿入場所 子宮内部 二の腕の皮下
配合されるホルモン レボノルゲストレル エトノゲストレル
避妊率 99.4~99.9% 99.9%
効果が持続する期間 最長5年 最長3年
保険適用 月経困難症の場合のみ適用 いかなる場合でも適用されない

ミレーナ

挿入場所 子宮内部
配合されるホルモン レボノルゲストレル
避妊率 99.4~99.9%
効果が持続する期間 最長5年
保険適用 月経困難症の場合のみ適用

避妊インプラント

挿入場所 二の腕の皮下
配合されるホルモン エトノゲストレル
避妊率 99.9%
効果が持続する期間 最長3年
保険適用 いかなる場合でも適用されない

人工的に作られた黄体ホルモンを「プロゲスチン」といい、レボノルゲストレル、エトノゲストレルはプロゲスチン製剤の一般名です。

避妊インプラントの5つ効果・メリット

1.約99%の避妊効果が3年間持続

99%もの高い避妊効果が3年間持続する点は、避妊インプラントの大きなメリットといえます。一度挿入すれば、正しい位置に挿入されている限り効果が低下せず、定期的な診察なども不要なため、何度もクリニックに足を運ぶ必要がありません。

2.低用量ピルの服用が難しい方も使用可能

低用量ピルには、プロゲステロン(黄体ホルモン)とエストロゲン(卵胞ホルモン)の2種類のホルモンが含まれています。喫煙者や肥満症の方は、エストロゲンによって血栓症を引き起こす可能性があるため、低用量ピルが服用できませんでした。しかし、避妊インプラントにはエストロゲンが含まれておらず、血栓症のリスクが低いため、体質や生活習慣を理由にピルの服用を諦めていた方も使用が可能です。

3.月経痛の緩和、経血量の減少に効果的

避妊インプラントを挿入すると、子宮内膜が厚くなりにくくなるため、結果的に月経痛や過多月経の緩和が期待できます。ただし、挿入後の数カ月間はホルモンバランスの変動により月経周期の変化や不正出血が起こりやすいとされています。

4.ピルのように毎日服用しなくていい

ミニピル・低用量ピル・超低用量ピルなどは、1日1錠を毎日決まった時間に服用しなければ、正しい効果を得られません。避妊インプラントは、一度挿入すれば、正しい位置にある限り、何もせずとも最長3年間もの避妊効果を発揮します。ピルの飲み忘れや、外出先へピルを持って行くのを忘れて飲めなかった、というリスクがないのも避妊インプラントの特徴であり、メリットです。

5.不妊のリスクがない

避妊インプラントは、挿入期間中のみ体内のホルモンバランスをコントロールする避妊具です。そのため、インプラントの抜去後はおおよそ1カ月で身体が元のサイクルに戻ります。挿入によって不妊症になることはありません。

避妊インプラントの6つの副作用・
デメリット

避妊インプラントの6つの副作用・デメリット

メリットの多い避妊インプラントですが、一般的な薬と同じようにリスクやデメットも存在します。事前に正しい情報を知ることで、より安心・安全に避妊インプラントをお使いいただけます。

1.不正出血、頭痛、乳房の張り

避妊インプラントの副作用として多いのが、不正出血や月経周期の変動です。また、ホルモンバランスの変化により、頭痛や胸の張り感、めまい、悪心(吐き気や胸のむかつき)なども報告されていますが、いずれも一時的な症状です。ピルと同様、身体が薬剤の放出するホルモンバランスに慣れると、症状は徐々に軽減していきます。

2.皮膚にメスを入れる必要がある

避妊インプラントの挿入は専用のアプリケーターを用いて行い、傷跡は注射時の針穴のみです。直後は挿入部周辺に内出血などが発生する可能性がありますが、徐々に目立たなくなります。インプラント除去時は、メスを用いて数ミリ程度皮膚を切開し、インプラントを引き抜く必要があります。こちらも、時間の経過とともに傷跡は治癒しますが、ピルやミレーナなどの避妊具と比較すると、皮膚切開を伴う点はデメリットといえるでしょう。

3.性感染症を予防できない

避妊インプラントは体内のホルモンバランスを調節する役割を持ち、体外から侵入する細菌やウイルスから身体を守る効果はありません。避妊インプラントによって、性感染症などの予防は行えないということです。性感染症の感染リスクが高まる行為を行う場合は、コンドームを正しく使用してください。

4.保険適用でなくコストがかさむ

避妊インプラントは国内で承認されておらず、保険適用外の薬剤です。そのため、全額が患者様の自己負担となり、費用がかさむ傾向にあります。

5.体重が増加する可能性がある

避妊インプラントに含まれるプロゲスチン(黄体ホルモン)の効果により、むくみや食欲の増加が生じ、一時的に体重が増加する可能性があります。体重増加は全ての方に起こるわけでなく、また増加が起こった場合も平均で1.3kgであったと報告されています。むくみや体重増加は、避妊インプラントだけでなく、女性ホルモンに影響を与えるピルやミレーナにも見られるデメリットです。

6.ニキビが増えるリスクがある

避妊インプラントをはじめ、ピル、ミレーナなど、体内のホルモンバランスを調節する薬剤によって、ニキビが減少する方もいる一方で、一時的に肌荒れやニキビが増加する患者様もいます。これは、身体がホルモンバランスの変化に順応しきれず、皮膚に皮脂が蓄積して肌荒れを起こすためです。ほとんどの方が数カ月で改善しますが、悪化する場合はクリニックにご相談ください。

避妊インプラントの国内の相場費用は?

避妊インプラントの日本国内の費用相場は、約15~20万円です。インプラントのズレや破損などがなければ、定期的な通院の必要はないため、メンテナンスの費用はかかりません。しかし、インプラントを取り除く際に、除去代として約1.5~3万円がかかります。

新宿駅前婦人科クリニックでは、避妊インプラントを挿入した方のアフターフォローを行っているほか、他院で挿入したインプラントの抜去も承っています。ご相談のみのご予約も承っておりますので、お気軽にご連絡ください。

避妊インプラントの価格表

相談料 3,300円
避妊インプラント
局所麻酔代+挿入代
98,000円
笑気麻酔
※希望の方
15,000円
静脈麻酔
※希望の方
33,000円
自院抜去 15,000円
他院抜去(1本) 45,000円
他院抜去(2本) 55,000円

避妊インプラントの挿入・
除去方法について

避妊インプラントの挿入箇所

避妊インプラントは皮下インプラントとも呼ばれているとおり、二の腕の皮下に埋め込む避妊具です。皮下とは、表皮と真皮の下にあり、主に脂肪からなる組織を指します。挿入は、専用の挿入器具を用い、医師が行います。

避妊インプラントの挿入方法

1.診察

お悩みやご要望を伺い、避妊インプラントについて説明を行います。「いつから効果が出るの?」「挿入したら何に気をつければいいの?」など、ご不明点はお気軽にご質問ください。

2.局所麻酔

利き腕ではない方の腕を消毒後、挿入部分に局所麻酔を行います。麻酔時は、注射のチクっとした痛みがあります。

3.挿入

滅菌された使い捨ての専用器具で、挿入を行います。先端に針がついていますが、局所麻酔が効いているため、痛みは感じません。挿入部分の縫合の必要はありませんが、数日間は挿入部の周りに内出血が発生することがあります。しかし、時間の経過とともに目立たなくなっていくため、ご安心ください。

注意点:避妊インプラントを挿入した腕は、予防注射、血圧測定、美容施術(強い圧を加えるマッサージ、レーザー治療、脂肪吸引など)が行えません。また、挿入部分への強い圧迫や衝撃によって、皮下組織内で避妊インプラントが破損する可能性があります。運動の際には十分ご注意ください。

避妊インプラントの除去方法

1.診察

ご来院後、診察を行い、避妊インプラントが正しい位置に挿入されているかを確認します。

2.局所麻酔

挿入された側の腕を消毒して、局所麻酔を行います。麻酔時は、注射のチクっとした痛みがあります。

3.除去

メスで皮膚を数ミリ程度切開し、皮下に埋め込まれたインプラントを取り除きます。この際、麻酔が効いているため痛みはありません。除去は、鉗子と呼ばれる先の丸いハサミのようなものを用いて引き抜きます。

4.アフターケアもしくは再挿入

避妊インプラントを継続する場合は、除去を行った切開部、もしくは違う箇所から新しいインプラントを挿入します。継続せずに除去のみの場合は、抜去後に止血を行い、切開部分が塞がるまで包帯を巻いておきます。止血後、切開部を数針縫うこともありますが、抜去時に行った麻酔が効いているため、痛みは感じません。

最大3年間もの効果が持続する避妊インプラントですが、3年の間であればいつでも除去が可能です。除去後はおおよそ1カ月で体内のホルモンバランスが元に戻りますが、個人差がありますので「予定よりも早く妊活ができるタイミングが来た」「避妊をする必要がなくなった」などの場合は、お早めに新宿駅前婦人科クリニックにご来院ください。

新宿駅前婦人科クリニックは
東京で避妊インプラントができる
クリニックです

新宿駅前婦人科クリニックでは、18~40歳の方を対象に避妊インプラントの挿入を行っています。当クリニックは、海外に行かずに避妊インプラントの挿入が行える、都内でも数少ないレディースクリニックです。

避妊インプラントは、女性主体でできるピル以外の避妊法であり、その効果の高さから海外でも使用者が年々増加しています。当クリニックでは、患者様お一人おひとりのお悩みやライフスタイルを伺い、最適な治療法やお薬をご提案いたします。避妊インプラントはもちろん、ピルやミレーナのご相談も承っているため、月経トラブルの改善や自分に合った避妊法をお探しの方は、お気軽にご来院ください。

避妊インプラントに関するご質問

生理を止めるために避妊インプラントを入れてもいいですか?
A.避妊インプラントを入れても、必ず月経がなくなるわけではありません。挿入後はホルモンバランスの変化により、経血量の減少が認められます。その中で稀に、数カ月間の月経停止が起こる方がいらっしゃるため、「避妊インプラントを入れると生理が止まる」といった誤った認識が生まれていますが、避妊インプラントは月経を止めるものではありません。あらかじめご了承ください。
生理痛の緩和のために避妊インプラントを入れたいのですが、保険適用でできますか?
A.避妊目的でなく、月経痛や過多月経の治療を目的とした場合でも、避妊インプラントは保険適用にはなりません。なぜなら、避妊インプラントの日本での承認が降りていないためです。日本では未承認ですが、安全性と効果はとても高く、欧米をはじめ南米でも広く使用されているため、ご安心ください。
避妊インプラントの避妊率を教えてください。
A.避妊インプラント挿入後は、99%以上の高い避妊効果が3年間持続します。継続して効果を得たい場合は、挿入から3年後にすでに入れた避妊インプラントを除去し、新しいものを入れる必要があります。
避妊インプラントを入れる際に痛みはありますか?
A.避妊インプラントを挿入する際は、注射で局所麻酔薬を注入します。よって、お痛みは麻酔を行う注射針の刺入時のみで、インプラント挿入時の痛みはありません。
避妊インプラントを検討していますが授乳中です。子どもに影響はありますか?
A.授乳中の方でも、出産から4週間が経っていれば、避妊インプラントの挿入が可能です。乳児に関係するさまざまなリスクについて研究している、Infant Risk Centerによる研究でも、避妊インプラントが母乳の生産量、新生児の母乳摂取量、成長などに影響がないことを発表しています。
避妊インプラントは入れた直後から効果があるのでしょうか?
A.月経が始まってから5日以内に避妊インプラントの挿入を行った場合は、当日から避妊効果を得ることができます。それ以降や、月経以外の期間に挿入した際は直後からの効果が得られないため、性行為を行う場合は、コンドームなどを使った避妊法を併用しましょう。
韓国や他院で入れた避妊インプラントの除去はできますか?
A.新宿駅前婦人科クリニックでは、他院で入れた避妊インプラントの除去が可能です。しかし、正しく挿入がされていなかったり、何かの衝撃によってズレが生じていたりした場合は、対応が難しいケースがあります。まずは診察で挿入位置を確認いたしますので、お気軽にご相談ください。
避妊インプラントを腕以外に入れることは可能ですか?
A.避妊インプラントの挿入部位は二の腕の皮下のみです。二の腕以外の挿入は事例がなく、正しい効果が立証されていません。挿入直後は二の腕に内出血などが生じますが、時間の経過とともに落ち着いてくるほか、避妊インプラントによる皮膚の盛り上がりなどもほとんどないため、見た目がご不安な方もご安心ください。

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