ピルを飲むとなぜ不正出血が起こるの?
原因はストレス?いつまで続く?
ピル服用中の不正出血は、ホルモンバランスが一時的に崩れて、子宮内膜が剥がれ落ちることが原因です。ピルの飲み始めは特に不正出血が起こりやすい時期ですが、1~3カ月で落ち着くケースがほとんどなため、過度に心配する必要はありません。
月経トラブルの改善や避妊効果を得るために服用するピルには、特定のホルモンの服用で体内の女性ホルモンのバランスを調節する役割があります。低用量ピルには卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)が、ミニピルにはプロゲステロンのみが含まれており、これらの作用によって体内のホルモンバランスに変化が起こると不正出血が起こるのです。
不正出血は、ピル服用者の20%程度の方が経験する一般的な副作用です。身体はピルによるホルモンバランスの変化に徐々に慣れていくため、ピルを継続的に服用することで不正出血の発生は次第に減少していきます。
この記事の監修医師
新宿駅前婦人科クリニック 平川 絵莉子 院長
産婦人科専門医|母体保護法指定医
鳥取大学医学部卒業後、産婦人科医として経験を重ね、2024年8月新宿駅前婦人科クリニック院長に就任。
この記事の監修医師
新宿駅前婦人科クリニック
平川 絵莉子 院長
産婦人科専門医|母体保護法指定医
鳥取大学医学部を卒業後、産婦人科医として経験を重ね、2024年8月新宿駅前婦人科クリニック院長に就任。
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ピル服用中のストレスは
不正出血に関係がある?
不正出血は、ストレスが原因で発生する可能性があります。しかし、これはピルの服用中に限った話ではありません。ストレスには、精神的なものはもちろん、寝不足や栄養の偏り、肉体疲労など身体的なストレスも含まれます。
女性ホルモンは、脳からの指示によって分泌されています。そのため、身体がストレスを感じると、脳からの指示が滞ってホルモンの分泌が抑制され、不正出血が起こったり月経が止まったりします。
ピル服用中に不正出血が
止まらない原因5つ
ピル服用中の不正出血の原因は、上記の5つが考えられます。激しい腹痛が続いたり、不正出血が2週間以上続いたりする場合は、速やかに婦人科を受診しましょう。
1.ピルを初めて飲んだ、ピルの種類を変えた
ピルを初めて服用する場合、身体がピルによって起こるホルモンバランスの変化に慣れるまでに時間がかかります。このため、飲み始めの段階は、不正出血が起こりやすいです。
不正出血はピルによる副作用の中でもっとも多い症状で、服用した女性のおよそ20%に不正出血が起こっています。飲み始めてから3カ月経つと徐々に落ち着いていくため、過度な心配はせずに服用を継続してください。
同じ理由で、ピルの種類を変えた際も、薬の中に含まれる成分量の変化によって、不正出血が起こる可能性が高くなります。
2.ピルを飲み忘れた
ピルを飲み忘れると、ピルによって調節されていた体内の女性ホルモン(エストロゲン、プロゲステロン)の量に変化が起こります。これによって、子宮内膜が不安定になり出血が起こるケースがあります。
飲み忘れによって不正出血が起こる確率は、ピルの種類によっても異なります。ピルを飲み忘れた場合は、医師の指示に従って、正しく服用を続けましょう。また、ピルを飲む時間帯を一定にすることで、不正出血の発生を予防することができます。
3.卵巣の機能異常
ピルの服用中であっても、多嚢胞性卵巣症候群(たのうほうせいらんそうしょうこうぐん/PCOS)、卵巣嚢腫、卵巣機能不全などの卵巣の機能異常があると、不正出血が起こる場合があります。
これらの症状の緩和に、治療薬として低用量ピルが用いられる場合もありますが、全ての方に最適な治療法であるとは限りません。原因不明の不正出血が継続的に発生している場合は、クリニックを受診して医師の診断と指導のもとで、適切な治療を受けましょう。
4.子宮がんや子宮筋腫などの子宮の病気
子宮がんや子宮筋腫などの子宮の病気は、子宮内膜の異常増殖や厚さの不均一を引き起こし、これらの要因によってピルの服用中であっても不正出血を発生させることがあります。
不正出血のほかにも、下腹部の圧迫感や痛みがある場合は、速やかにクリニックを受診しましょう。
5.性感染症
性感染症に感染していると、子宮内膜のほかにも子宮頸部や膣、尿道などが炎症を起こして出血する可能性があります。
高い避妊効果のある低用量ピルですが、性感染症を予防する効果はありません。性感染症の予防のためには、コンドームを正しく使用し、複数のパートナーとの性行為を控え、定期的な検査を受けましょう。
また、尖圭コンジローマや子宮頸がんの原因となるヒトパピローマウイルス=HPVにはワクチンの接種も有効です。新宿駅前婦人科クリニックでの取り扱いもございますので、お気軽にご相談ください。
ピルによる不正出血を止める方法3つ
- ピルの服用をストップする
- ピルの種類を変更する
- ピルを継続的に服用する
ピルによる不正出血は、病気や炎症によって起こるわけではなく、ホルモンバランスの崩れが原因です。そのため、特別な処置や薬の服用で出血を止めることはできません。自己判断で服用をストップしたり、種類を変更したりせず、まずは医師にご相談ください。
また、ピルは継続的な服用で不正出血の発生が低下していきます。不正出血があったとしても避妊の効果に影響はないため、出血が少量であれば安心して服用を続けてください。
強い腹痛をともなったり、出血の量が多い、もしくは2週間以上長く続いたりするときは、早めにクリニックを受診してください。
新宿駅前婦人科クリニックの
不正出血への取り組み
新宿駅前婦人科クリニックでは、安心してピルを服用いただけるよう、定期的な診察や検査を行っています。
初めてピルを服用される方のほか、「他院でもらったピルを飲んだたら、不正出血が起きた」「今までは何もなかったのに、急に不正出血あって心配」といったご相談も可能です。ピルについて、ご不明点やご不安な点がある場合は、診察時に医師までご相談ください。
ピルと不正出血のよくあるご質問
- ピル服用中で不正出血が続いています。性行為をしても大丈夫ですか?
- A.不正出血があっても、ピルによる避妊の効果は続いています。しかし、出血中の性交渉は、出血が本当にピルによるものなのかが定かではなく、またさまざまな炎症の原因になる可能性もあるため、推奨されていません。
- ピルによる不正出血があるのですが、飲み続けるべきでしょうか?
- A.ピルを飲み始めてから数カ月間は、不正出血が続く場合が多くあります。服用の継続で徐々になくなっていくため、大量の出血や強い腹痛がない場合は、服用を続けてください。ご不安な点がある場合は、すぐにかかりつけ医にご相談ください。
- ピルを飲み始めてから数カ月間は何もなかったのに、急に不正出血がきました。病気でしょうか?
- A.ピルの飲み始めや、継続しているけれども途中でピルの種類を変更した場合は、不正出血が起こる場合があります。また、飲み忘れや服用時間のズレ、ストレスが強くかかった場合も同様です。こういった要因がなく不正出血が2週間以上続いたり、腹痛を感じたりする場合はクリニックにご相談ください。
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